これは、見えない物体を追いかけるように指差しを行うロボット群からなる作品です。物理的には何も存在していない空間に対して、ロボットたちが「あたかもそこに何かがあるように」指差しを続けています。私たちは肉眼ではその対象を見ることはできませんが、「指差しを続けるロボットたちの動き」を通してそこにいるはずの何かの動きや位置に加え、重さや軽さ、そこにいるはずのなにかの意思など、様々なことを感じ取ることができます。
最近ではARのように、情報をモニターの中にとどまらず、現実の空間の中にも出現させるような技術が多数登場しています。この作品で「指差しを続けるロボットたちの動き」から感じることができる「そこにいるはずの何かの様子」も、画面を飛び出した「情報」のあり方の一つだと言えるでしょう。
本作品はこうした、ARやVRとも異なる「画面を飛び出した情報」と人間との新たな接点の形を提示します。
デジタルな存在との新たな関わり方を体験したい方
本作品では、スマートフォンや、VRゴーグルを介すことなく、肉眼で仮想的な存在を感じ取ることができます。
こうした、「現実空間に仮想的な存在が流れこんできた」とも感じられるような体験は、見た人に大きな驚きを与えます。
情報科学芸術大学院大学 [IAMAS] 修士二年所属。学部時代には電気通信大学にてHCI分野での研究を行う。
現在は大学院にてインタラクションデザインを学ぶ傍ら「テクノロジーによって変化するメディア環境の中で、新しい表現の在り方を模索すること」をテーマに工学・デザイン・芸術などを越境する領域横断的活動を実践している。
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