「利用者自身がスマホとのより良い付き合い方を探る」ために、ON/OFFの意思表明によりスマホ利用に介入する 「自宅/自分用のやる気スイッチデバイス Yaruki Switch Home」を設計した 。デバイスとスマホが連携し、事前に設定したアプリを開く際にデバイスとの通信が実行される。
デバイスのスイッチが ON の場合、アプリを開こうとしても閉じる。OFFの場合はそのまま使うことができる。自分の意思を、スイッチ ON/OFF に表明することで、自分で自分の背中を押すことを目指す。単純に断ち切るのではないテクノロジーとの付き合い方を自分自身で探る。
「他人の目に見えるような状態」「自分の身体的な操作によってON/OFFを切り替える」といったデバイスの物質的な特性によって、より自身の内省に寄与するためのデザインとなっている。
現代では,情報技術の進化とともに,アテンション・エコノミーといった弊害が顕在化し,人々の無意識な時間消費を助長させ自己管理を困難にしている。このような問題に抵抗するため、自分自身を制御するためのデバイスとして価値提供を目指す。
■ システム構成
ユーザーは独自アプリをインストールし、そのアプリ内でデバイスのスイッチON/OFF判定を行う。iOSのショートカット・オートメーション機能でXやYouTubeなど特定のアプリを開いた際に、画面が切り替わる設定を行う。その設定を行うことで、ON/OFF判定が可能になる。ONの場合はアプリを閉じ、OFFの場合は元のアプリ画面に戻す。
・XやYouTubeといったソーシャルメディアのユーザー
・Webメディアを無意識に起動してしまう傾向があるユーザー
無意識に開いてしまうアプリに対して、自分の操作したON/OFFスイッチに基づいてアプリの動作を制御する。
無意識の行為に意識を向けることや、過度に遮断するのでもなく自分自身でスマホとの関係性を再構築することを目指している。
インタラクションエンジニア・デザインリサーチャー
武蔵野美術大学 造形構想研究科 博士後期課程在籍
エンジニア業と並行しながら、デザイン研究を行う。
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