ライントレースカーは黒色の線などをセンサーで検出して、線をなぞるように走行しますが、ここで紹介する作品は、無電源(電池なし)のライントレースカーがワイヤレス電力伝送によって走行します。ワイヤレス電力伝送は、電線を使わずに無線で電気エネルギーを送る技術です。
動画のように、テスラコイルを使ってワイヤレス電力伝送を行い、黒色の線をなぞるように走行する無電源のライントレースカーです。
テスラコイル発振機は、トランジスタの発振回路により高周波の高電圧を発生させる小型のテスラコイルです。テスラコイル発振機と同じコイル(同じ形状で同じ巻き数の共振コイル)をもう一つ作り、この共振コイルをテスラコイル発振機の近くに置くと、共振現象が起こる。(この共振現象は、二つの同じ振動数の音叉を用意して、片方の音叉をハンマーで打つと、もう片方の音叉が鳴り始める共鳴現象と同じです。)
ライントレースカーは共振コイルを搭載しており、この共振現象を利用して、テスラコイル発振機からライントレースカーへ無線で電気エネルギーを伝送します。
ライントレースカーの共振コイルに発生した高周波電流を整流して、直流に変換しています。ライントレースカーはマイコンを使用しない簡単なアナログ回路で、2つの反射型赤外線センサーと2つの小型モータにより、黒色の線をなぞるように走行します。
一般の方を対象としています。
本作品は、ワイヤレス電力伝送やライントレースカーのモータ制御などを行ているので、工業高専あるいは大学の理工系学部での学習教材や実験にも適していると思います。
一般の方には、ワイヤレス電力伝送の面白さや不思議さが体験できます。
学生や一般の方でも、ワイヤレス電力伝送の理解が深まる教材になると思います。
前職はソフトウェアエンジニア。
定年退職後は電子工作。
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