本作はひとの感じる「人間らしさ」とは何か、を問うインスタレーションである。
近年、ロボット工学をはじめ、CG分野、AI分野など、人間性を別次元で再現する試みが多々見られる中、
改めて人間性とは何かが注目を集めている。
特にロボット工学やCGの分野、人間を再現する過程で、
ある一定以上は人間らしくなればなるほど好感値が下がる「不気味の谷現象」という説が唱えられるなど、
表現・機能としての人間らしさと、人がそれと感じる人間らしさとの剥離についての関心は高まっていく傾向にある。
本作は、「理想的な人間」を表現するための存在であるマネキンに対し、
その過程で省略されてしまった人間性を改めて取り戻すことを目的としている。
今回私たちは、本来省略されている人間の歪さともいえる「クセ」に着目した。
人の本来持つ「クセ」、その中でも悪癖と言われる「貧乏ゆすり」を改めて与えることで、
マネキンに人間性をインストールしなおすということが本作品の狙いであり、表現となる。
本作品を通し、快/不快、機能性などとは異なった視点で、
ひとの感じる「人間らしさ」とは何かを感じ取ってもらえれば幸いである。
ロボット、 CG、人間を目指すあらゆる分野に、
恐れや違和感を抱くすべての人々。
「人間らしさ」とは何か。
そして、その「人間らしさ」を生み出すものとは何かを考えるきっかけを生み出す。
それぞれ本業ではTVディレクター、広告プランナー、テクニカルディレクターに従事するアラサー3人組。
特定のテクノロジーや媒体にとらわれず、新しい体験を生み出すべく日々企画と作品制作を行っている。
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