このプロダクトは、VR空間を酔いも疲れも忘れて没入感のある移動ができるアシストスーツである。これは、アルケリスというアシストスーツにセンサを導入して、身体の動きをセンシングすることで直観的なVR移動を可能としている。アルケリスは、立ち仕事の負担をなくすために、どこでも楽な体勢で座ることができる装着型のプロダクトである。ここに、加速度センサや圧力センサを導入し、セグウェイのように重心移動によってVR空間を移動できるように改造した。また、体験の可能性を探るため、VR体験ソフトもUnityを用いて作成した。アシストスーツの持つ”疲れない”能力と、重心移動による”酔わない”能力によって、初めての人でも長時間VR空間を遊べるデバイスを開発した。将来的には、アルケリスのオプションパーツとして、パッドや取付部品を開発し、VR体験施設などに導入を目指す。さらに、アシストスーツ部分を最適化して個人消費者向けに販売し、VR空間を生きる人々にとって必須なデバイスを開発する予定である。
改めて、我々のビジョンは『未来のXR社会に適応するために人類を”進化”させる』ことである。ヒトはサルからの進化の過程の中で”しっぽ”を失い、アフリカ大陸から地球上の全土へと移動しその空間へと適応してきた。昨今、VR元年が叫ばれる一方でVRの普及はまだ反転途上である。その普及阻害の原因としてVR空間の移動による酔いや疲れの問題がある。現状、VRの移動方法はコントローラのスティックによる移動が主流である。しかし、この移動方法は、指先の動きが移動感覚と結びついていないため酔いやすい他、従来の二次元の画面で遊ぶゲームの移動方法から変わらず、VR空間の移動としては原始的なものと言わざるを得ない。そこで、我々は、新たなVR空間の移動方法を確立し、かつて人類が地球上を移動して繁栄してきたように、VR空間を自在に移動できるようなウェアラブルデバイスを開発する。その先に、身体重心を外部から操作できる伸び縮みする”しっぽ”を開発し、VR環境に質感が伴った体験を提供することを目指す。こうして、直感的な身体操作による能動的な没入感と、”しっぽ”による受動的な没入感によって、我々が実現したいXR社会に適応した新人類を生み出し、彼らによる新たな文化創出を目指している。
①VRを持っているがあまり使わないオープンワールド好きのゲーマー
②酔いに強い課題を抱えているVRchatter
③過去VRで酔ったことでネガティブな印象を抱えているVRをほぼ体験したことのない方
①酔いや疲れることでVRへ失望感を持っている状態から新しい操作感覚で夢中になりながらゲームを遊べる興奮を持つ状態に変える価値
②トレッドミル型の移動方法と異なり、装着によって場所を選ばず、導入コストも低くできるVR移動体験
③座ると酔いやすく、立つと疲れやすく、長時間VRを遊ぶことのできない状態から、酔いも疲れもせずVRに没入できる体験
ソニー東大藝大社会連携講座内でリーダー川島嵩之によって始まったチーム。東大の工学部学生を中心とした7人程度からなるチーム。XR世界に適応するために人類を進化させることをビジョンに掲げている。
Maker Faire 2024に出展。XR Kaigi 2024に出展予定。
東京都主催のTIB FAB Makers Challengeにも採択され事業化を目指している。
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