自然災害が近年増加傾向にあり、災害に対する事前準備ができていない貧困な国や地域での被害が大きくなっています。これをくい止めるために事前に有効な避難所を建てることが必要だと考えられますが、最適な建設の候補場所を調査するだけでも莫大な費用が掛かり非常に大変です。これを解決するために、現地に行かなくても安価に調査ができる方法が無いか考えて、今回の作品を作りました。
今回の作品「だんごサット」及び「串だん号」は模擬人号衛星とモデルロケットです。このロケット串だん号は紙製で安価に作れます。だんごサットも3Dプリンタで安価に製作できます。
現地調査の方法は、串だん号にだんごサットを搭載し調査したい場所の上空まで打ち上げます。その後、だんごサットは放出され滑空グライダーに変形し、目的の場所を目指して落下します。
だんごサットには環境を測定するセンサとデータを送信するための無線機が搭載可能です。ただし、長距離通信はできないため、数キロおきにだんごサットを落下させてデータをマルチホップ通信させようと考えています。
実機にはLoRaモジュールを搭載して、ホップ通信できることは確認しています。また、上空及び落下後にTTNゲートウェイ経由でサーバにデータを送信できることも確認できました。ただし、センサ搭載してのデータ送信テストはまだ行っていません。
滑空制御に関して、だんごサットにぶら下げた重りの移動により旋回できることを確認しました。現在、GPSを搭載しただんごサットを製作しているところです。次回の打ち上げて自立滑空制御の実験を行う予定です。
現状では、まだ満足するだんごサットが完成していませんが、今後も実験を続けていく予定です。
今回は「串だん号の試作」、だんごサットの「空中変形」、「重心移動旋回」、「LoRa通信によるホップ通信」の確認ができたところです。
自然災害から逃れられる場所に避難所を建設したいと考えているが、その最適な場所の調査が進んでいない国や地域の人々。また、国内を考えると災害後に素早く簡易通信網を引きたい被災者にも有効に使えます。
開拓されていない場所にお金と時間を掛けて入っていくことなしに、ローコスト且つ短い時間で現地情報を取得して提供できます。モデルロケットは工作レベルで作成できるので、現地の人でも簡単に手作りできます。
現場に降りて情報を収集するような用途であれば、いろいろな場面で有効に活用できる価値を持っていると考えています。
NASA Space Apps Challenge 2020 Kushimotoに参加して集まったメンバーです。メンバーの二人は缶サットと呼ばれる模擬人工衛星及びモデルロケットを製作していて、あと二人のソフトウェアメンバーとして参加し、今回のシステムを作りました。Space Appsはオンラインイベントでしたが、その後もメンバーの缶サットの改良は続いていて、今後も打ち上げ実験を行う予定です。
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