X VEINはジェネレーティブデザインと3Dプリント技術を活用した斬新な機体形状を有する次世代ドローンです。災害地での人命救助を主目的としつつ、全世界の人々が思い描くドローンを活用したビジョンを実現させるためのプラットフォームを目指しています。
地形に依存しない機動性を有しながら、ヘリなどに比べ極めて低コストで運用可能なドローンは災害救助支援への活用を期待されています。災害救助支援においてドローンには、強度、軽量性、撮影能力、安全性と高い性能が求められますが、それらを満たす市販の救助用ドローンは数百万円と極めて高価です。また、ドローンは軽量性を求めるあまり構造が単純になりがちで拡張性がなく、使用者の細かなニーズを満たすのが難しいという側面があります。ドローンがもつ人命救助の可能性に対して実際の被災地での運用範囲は極めて狭いのが現状です。そこで私たちは、災害救助支援のための機体強度、軽量性、撮影能力、安全性に加え、拡張性を備えた低コストな機体を目指しX VEINを開発しました。
我々は、ジェネレーティブデザインの一種である、構造最適化解析を行うことで機体のフレームをラティス構造にし、必要な機体強度を保ちつつ軽量化を実現しました。人や物体との接触による怪我や墜落を避けるための強固なプロペラガードや、モーターマウント、ランディングギアの機能を備える機体フレームは、なめらかな曲線を描く単一パーツでデザインされ、ラティス構造により昆虫の翅脈のような外観を有しています。また、機体中央のアクションカメラと2軸のブラシレスジンバルによって安定した動画の撮影が可能です。機体の各所には使用者の目的にあったセンサやライト、カメラなどを搭載するスペースを確保しています。これらの機能を備えつつも機体重心は低く、高い可搬性を備えています。
昨今ドローンは研究、測量、スポーツ、エンターテイメントなど、今まで思いもよらなかったフィールドで応用され、その可能性は災害救助支援に留まらず大きく広がっています。しかし依然として、ドローンを使ってやりたいことがあるが、そこに至るハードルの高さで尻込みしている人が数多くいます。そこで我々はX VIENを、全世界のユーザーに新たな構造や使用方法を創造・発見してもらうためのプラットフォームとすべく、オープンソースハードウェアとして公開する予定です
ドローンを使って何かがしたい人々・災害救助隊員
救助目的なら高い機体性能を。エンジニアにはドローンのプラットフォームを。ホビーユーザーにはクールなデザインを。
都立高専の2名を中心として、在学中には全国飛行ロボットコンテスト優勝やロボカップJrレスキュー全国ベスト8&特別賞、電通大エレクトロニクスコンテスト技術性一位など数多くの大会やコンテストに参加してきた。卒業し所属が分かれた後もX VEINの開発を始めとして活動を続けている。
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