FridgeFitterは、壁を認識する新しい距離計です。
2つのレーザー距離センサを回転させながら計測を行うことで、
壁同士や壁と家具の間など、向かい合った1組の平面について距離と角度を知ることができます。
従来のメジャーやレーザー距離計では「真っ直ぐになっているかな」「直角に当たっているかな」と気構えする必要がありましたが、FridgeFitterでは装置が補正をしてくれるので気軽に図れます。
装置はTime of Flight方式のレーザー距離センサ2つと、それらを回転させるステッピングモータ、およびその駆動回路からなります。
レーザー距離センサは回転軸の両端に、回転軸に対して5°の傾きで取り付けられており、
これによってモータが一回転すると、距離センサが発生するレーザーはそれぞれ円錐状の軌跡を描きます。
その間2つのセンサは、レーザーが障害物に当たって跳ね返るのにかかる時間を測定します。
各平面は、円錐を横切る楕円としてレーザー距離センサによって認識されるので、
その楕円の位置と形状を内蔵のSTM32マイコンで計算すると、対象の平面の位置と向きが同時にわかります。
FridgeFitterは、たとえば部屋の内見、模様替えや会議室整備の検討に役立ちます。
数十cmから数mまでの距離であれば、メジャーを引いたり、市販のレーザー距離計を基準点に当てたりすることなく、
空中で装置のボタンを押すだけで簡単に測定ができるので、三次元的な形状を素早く調べることができます。
また、平面同士が平行に近いときには、得られたデータからマイコンが自動で追加計算を行い
装置自体の傾きを補正してくれるので、測定の間装置を水平に保つ必要はありません。
FridgeFitterは、持ちやすさやデザインを最大限考慮したつくりとなっており、
手軽な距離計測を実現する新たな手段として、さまざまな場面で活躍することを目指しています。
現在使用している距離センサの制約により、精度はあまり高くありませんが、将来的にはより高性能なセンサに置き換えて実用的な製品にすることを検討中です。
部屋の内見に付き添う不動産業者など、距離の計測を頻繁に行う機会がある人。
距離の測定を気軽に、ある程度の精度で行うことができます。
学生ロボコンを引退した大学4年生の2人組です。
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