古くから宝石などをあしらったアクセサリーは外部からの光を反射し、しぐさにあわせて反射光が変わることできらきらと輝き,着用者を引き立てる役割を担ってきた.対して近年ではLED等を内蔵し自らが光を放つ「光るアクセサリー」も存在するが,日常生活において身に着けている人はあまり見かけない.この原因として「光るアクセサリー」はプログラミングされた発光パターンであることが多く,着用者より目立ちすぎていたり,おもちゃのように見えてしまったりする点があげられる.「Stellable」は、仕草にあわせて光が揺らぐことで着用者を引き立たせる、新しい「光るアクセサリー」のためのシステムである.
本システムの特徴は無線給電技術を用いているところにある.受電側が光るアクセサリーで、送電機構はアンダーウェア型給電服とし,送電コイル・制御回路・モバイルバッテリーからなる。着用者の動きによる給電服の歪みや,給電服とアクセサリーの相対位置・角度によって生じる給電効率の不安定さが,着用者と同調した自然な光のゆらぎとなる.また,アクセサリー内には,バッテリ・センサを含まないため小型化が可能となり、デザインの自由度も高まるため、従来のアクセサリーの使用感を保持できる.さらには,アクセサリー内の受電コイルの形状を工夫することで、点灯・消灯の2パターンではない様々な光のゆらぎの設計も可能である。制御回路をスマホと連携させることで任意のアクセサリーだけを光らせるなど,従来のアクセサリーにはない表現や通知を知らせるウェラブルデバイスなどの応用もできる.また,アンダーウェア型給電服の上には好きな服を着ることができるので様々なファッションと組み合わせることができる.
・従来にはない新たなファッションを取り入れたい人
・アクセサリー製作者
・装着品の従来の形状を保ったウエアラブルデバイスがほしい人
光る靴や,光る鞄などLED等の小型発光素子を取り入れたファッションがじわじわと生まれつつあるが,バッテリや制御回路のためのスペースの確報等が必要であるため,従来の使用感を保つのは難しい.しかし「Stellabe」のアンダーウェア型給電服を着用していれば,配線を気にする必要がない.また,電子回路経験のない人でも,「光る身に着けるもの」を簡単に制作することもできる.
「インタラクティブメディアラボ(IML)」は「大学の研究室に準じた研究開発活動」および「大学発ベンチャーに準じた研究実用化活動」を行う電気通信大学産学官連携センター主催のものづくり・HCI研究開発系サークルです.研究室や武蔵野美術大学・外部企業と連携して,学会や学外展示・製品化を目標として研究開発しています.
この作品を共有