「回路のお医者さん」は,電気やその働きを直感的に感じたり操作できたりといったインタラクティブ要素を盛り込んだ,電気回路の学習支援システムです.実際の電子工作ではよく行う「ブレッドボードやジャンパワイヤで回路を作る」という作業をメタファーし,加えて「配線を握って電流を流しにくくする」といった直感的な操作が行える特別な装置を導入します.回路にふれる体験を豊かなものにすることで,回路に対する興味を深めてもらったり,今後の勉強の足がかりにしてもらったりということを狙っています.
例えば,電気回路をイメージする際,よく「水路とポンプ」のようなメタファーが用いられます.こういったたとえ話を,現実世界のホンモノの回路と重ねて表現できれば,より電気を身近に感じたり,電子工作に興味をもったりといった可能性をもたらすことができるのではないでしょうか.
中核を担うのは,「電気を触れて感じ、触って操作できる配線」デバイスです.これは,内部を通過する電流が多ければ多いほど高い頻度で震えます.配線を握ると,内部を通過する電流をせき止めることができます,力加減を変えることで、通過する電流量を連続的に変化させることもできます.
この「回路のお医者さん」では,メタファーとリアルを重ねることで,より多くの人に電気や回路制作の楽しさを感じてもらうことを目標としています.
配線デバイスについて
内部を通る電流が多ければ多いほど震えるようになっています.最大で5V・1A程度,直流交流問わず流すことができます.
握ると内部を通過可能な電流量,すなわち抵抗値が変わるようになっています.本体のチューブ内部に気圧センサを封じ込めることで,どこを握っても圧力検知ができるようになっています.
今後の展開
握ることで抵抗値が変わる,つまり可変抵抗を実現しました.回路の受動部品には他にコンデンサとコイルが存在します.これらの値をインタラクティブに操作できるデバイスを開発予定です.
発展性
実際に数百mAの直流・交流を流すことができるので,用意された電源・配線デバイスだけではなく,自分で作成した回路もこのプラットフォームで同じように動かすことができます.
電気回路の中で何が起きているのか,回路の中で部品がどういう働きをしているのかを学んだり感じたりしたいすべての人
電圧や電流といった回路の様子を画面上のシミュレーション結果や測定器の数値ではなく現実の物体の挙動・様子に反映させることで,より馴染みやすい体験を提供します.回路にふれる体験を豊かなものにすることで,回路に対する興味を深めてもらったり,今後の勉強の足がかりにしてもらったりということを狙っています.
情報系の大学生で構成されたチーム.普段はVR系の研究をしています.
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