従来、家庭用防犯システムというと、ドアや窓毎にセンサを付け、制御装置などを設置し、その間の配線も必要なとても大がかりのものでした。今回はそれを簡易化して、屋内、屋外に合計数個の気圧センサユニットを置くだけで家全体の窓やドアなどが開いていないか測定が可能な手法を考案しました。取付も簡単なので、自分だけで設置できる簡易型システムが実現可能となります。
最近の家庭は気密性が高く、24時間換気も一般的になっており、屋内と屋外は常時気圧差が生じています。その状態で家庭内のどこかの外側向けの窓やドアが開くと、気密が崩れ気圧差がなくなります。また、気圧変動の様子を測定していると、窓が開いているときには屋内、屋外とも同じようになるため、両波形の相関が高くなります。この結果、窓が開いたと認識します。スマホにも内蔵されている小さな気圧センサを屋内屋外の数カ所に置き、相関を取得することで、防犯センサとしての役割を果たせると考えています。
なお、現在はマンションでのみしか動作確認はしていません。しかし、一戸建てにおいても24時間換気が入っていて屋内にあからさまな結露を起こす場所がない程度の新しめの建物であれば動作すると考えられます。また、オフィスビルなどでは空調がしっかりしているため、屋内屋外の気圧差は大きく、非常に明確に動作することが予想されます。
このシステムは非常に広いターゲットを視野に入れることができるシステムになると考えられます。
マンションに住む防犯がちょっと気になる一人暮らしの人から一戸建てに住んでいる家族をもつ人まで
入居者個人で設置できる簡易な防犯装置を実現できる。また、出かける時に窓が全部閉まっているか知らせることができる。
通常は子供向け機器の電子回路を設計している電子回路設計者。趣味はガジェットやセンサをいじり回すこと。今回は気圧センサをいじっているうちに思いついたアイデアを実現。
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