2016年以降、様々な分野でVRの利用が始まっています。CADやCG作成などの3Dデザインソフトもその例に漏れず、2017年に入りVRモデリングソフトの発表や既存のソフトウェアのVR対応などが盛んに行われています。将来的にVRは様々な分野で活用されることが想定され、用途に応じて固有の操作が必要になっていくでしょう。その際、専門性の高い作業において汎用のコントローラは十分な役割を果たせず、かつてペンタブレットやトラックボールが生まれたように、目的に応じてそれぞれに最適なVRインタフェースが登場することになると我々は考えます。
このような状況を考え、私たちはVRを用いた3Dデザインソフトのための入力インタフェースとして\\"wimo\\"を提案します。3Dデザインソフトは複雑な操作を要するために、現状でも様々なインタフェースの工夫がなされていますが、VR環境ではより顕著になるものと思われます。\\"wimo\\"はそのような未来を見据え、コントローラーのハードウェアを作る段階でソフトウェアインターフェースについても検討を行い、両者を相互に最適化することでVRの弱点を補うことを目指しました。物体の操作などはVIVE Trackerによる6軸トラッキングを利用することで直感的な操作が可能であり、これはVRの得意とする点だと思われます。一方、VR環境でのインターフェースが苦手とし、かつ3Dデザインで重要なものとして数値入力や細かな操作(定量的な操作)が考えられます。\\"wimo\\"ではホイール・スイッチによる機構とソフトウェアインターフェースの組み合わせでこれに対応しました。また、このホイールはクリック感のあるものを採用しており、手元が見えないVR環境においても定量性を持った微調整を行うことが可能です。
本作品では\\"wimo\\"コントローラとUIのテスト環境を作成し、ユーザビリティの検証・機能のデモを行いました。今後予定されている各種3DデザインソフトのVR対応、APIの整備などが進み次第、実際のソフトウェアへの組み込みを考えています。
(スポンサー協力:株式会社MARUI-PlugIn様)
3DCADやモデリングソフト等のユーザーが対象です。この分野ではVRの利用が始まっており、マウス・キーボードや既存のゲームコントローラに代わるインタフェースを必要とするユーザーの利用を考えています。
”wimo”はVRを用いた設計・モデリングにおいて快適で効率的な操作を提供するためのインターフェースです。VRにおいてはマウスやキーボードといった既存のインターフェースを利用することが困難である上、VR向けの汎用ゲームコントローラでCADの操作性を確保することも難しいと考えられます。wimoはVRでのデザインソフト操作に特化したインターフェースとして最適な操作環境を提供します。
東京大学の学生によるチームで、普段は本郷テックガレージというモノづくりスペースで活動しています。VRによる3Dモデリングの操作性を向上させ、普及を促進することを目指しています。
この作品を共有