未だ蔓延る男性優位の職場環境や、過度な女性優遇を掲げたサービスなど、男女同権が叫ばれて久しつく経つ現代社会でも男女の平等関係は歪に形成されている。その歪さは家庭内における用の足し方でも見て取れる。
男性にとってごく自然な立位排尿はトイレ周辺を汚しやすい事に加え、その清掃を女性が担う場合が多いという実態が問題視されている。その反動から男性にも座位排尿を強要する声は日に日に高まり、女性の側に立つことこそ正義であるとする風潮もまた拡大している。しかし、どちらをとっても片一方に我慢を強いる点が変わることはなく、用の足し方問題は歪な男女平等社会の縮図といえる。
男女それぞれの身体的特徴に適した用の足し方には股間高30cmの差異があり、これが男女の軋轢を生んでいる。本作はドアレバーの開閉方向に応じて便器がせり上がり、座位/立位の各姿勢に対し便座高を最適化することで、お互いにとって理想的な用の足し方の実現に寄与する。
真の男女同権社会を実現するためには、「どちらかに合わせる」のではなく「どちらにも合う」ことを前提に、物事のあり方を見直していく必要があるのではないだろうか。
毎日の生活で自宅のトイレを使うすべての人々(特に男性)
トイレ利用におけるストレスからの解放
マジキチなプロダクトをナナメウエから開発するクリエイティブユニット majikitchen
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福澤 貴之:http://ekodworks.com/
興野 悠太郎:http://www.kyopan3.com/
原 庸一朗:http://www.hacci.net/
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