UPLIGHT(アップライト)は小型全周囲プロジェクションディスプレイを搭載した次世代の携帯型ゲームデバイスです。ディスプレイの全周囲が繋がったステージで遊ぶアクションゲームや、立体形状に沿うように飛ぶボールで遊ぶブロック崩し等、これまでにないゲーム体験を楽しむことができます。
立方体やドームなどの立体構造物の全周囲にプロジェクションマッピングなどを用いて映像を表示させたものを全周囲ディスプレイといいます。映像が360°連続的に表示可能で、投影された立体形状にも直接手で触れることができるため、映像をより立体的に実感できる長所があります。
しかし、私たちが「高さのある側面」を持つ立体映像を眺めたとき、私たちに対して手前側の側面を見ることはできますが、反対側の側面は手前側の側面の背後に隠れて見えなくなってしまいます。この「隠れた部分が見えない」という要素は全周囲ディスプレイの欠点でした。
ところが私たちは、この欠点の中に「隠れた部分を見に行く」動作の持つ高いエンタテインメント性を見出しました。プレイヤーからは常に見えない部分があり、そこを能動的に見に行くことで、見えなかった部分が明らかになります。これをゲームの要素として取り入れることで、プレイヤーに新しい発見や感動、驚きを与える新しいゲーム体験が実現できます。さらに、自由で楽しい動作で隠れた部分を身に行けるようにすることで、その体験の質を一段と高めることもできると考えました。
そこで私たちは、これらのゲーム体験を実現する新しい独自のゲームデバイス”UPLIGHT”を開発しました。UPLIGHTでは内蔵する小型プロジェクタと超広角魚眼レンズを用いた全周囲投影技術に加え、自由に取り換えることができる様々な形状の全周囲スクリーンにより、立体的で連続的なゲームコンテンツを実現しました。さらに手首や頭など上半身を自由に動かすことでダイナミックに全周囲ディスプレイ上のゲームと対話することが可能です。
UPLIGHTはディスプレイの形状がわかっていれば、Unityで簡単にゲームの開発を行うことができます。現在は、シンプルなコンテンツを中心に開発していますが、グラフィクスやゲーム性に凝ったものも開発していきたいと考えています。また、開発の和を広げるために、オープンソースハード化とコミュニティの形成を目指しています。
携帯型ゲーム機に慣れ親しんできたプレイヤーはもちろん、これまでにない新しい体験を求めている人に加えて、まだ見ぬゲーム体験を作り出したいゲーム制作関係者やクリエイター。
UPLIGHTはこれまでにない体験を身近な携帯ゲーム機のプレイスタイルでプレイヤーに提供します。平面でのゲーム体験に慣れたプレイヤーにとってこの体験は予想の斜め上をいき、隠れた部分を見に行く体験がもたらす楽しさはプレイヤーを更にゲームに没入させます。また、ディスプレイは取り換えが可能で、異なる形状ごとに違ったゲーム体験があり、想像力次第でこれまでにないゲーム体験を気軽に作り出すことが可能です。
「インタラクティブメディアラボ(IML)」は「大学の研究室に準じた研究開発活動」および「大学発ベンチャーに準じた研究実用化活動」を行う電気通信大学産学官連携センター主催のものづくり・HCI研究開発系サークルです。研究室や武蔵野美術大学・外部企業と連携して、学会や学外展示・製品化を目標として研究開発しています。
http://imedia-lab.net/
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