ヘッドホンを用いて、携帯音楽プレイヤーやスマートホンなどから音を聴く方法が広く普及している。ヘッドホンを用いると、ヘッドホンを用いる人は聴覚を用いて自分の周囲を感知することが難しい。ヘッドホンを用いる人に近づく人や物体について、これらを検知して聴覚に報知するシステムを開発した。
図1にシステムの概要を示す。システムは、音をヘッドホンに伝える携帯音楽プレイヤーなどおよびヘッドホンに接続される。システムは、ヘッドホンを用いる人が装着して、装着した人に人や物体が近づくと、携帯音楽プレイヤーなどからヘッドホンに流れる音を消して、人や物体の検知を報知する。
図2はシステムの詳細を示す。システムは、ヘッドホンを用いる人が装着する部分を持つ。システムでは、入力端子から携帯音楽プレイヤーなどの音信号が入力される。入力された音信号は、出力端子からヘッドホンに出力される。システムには、人や物体を検出する超音波センサが設置されており、センサを用いてヘッドホンを用いる人の周囲における人や物体までの距離を逐次測定する。逐次測定された距離は、測定距離電圧としてコンパレータ回路に入力される。コンパレータ回路に入力された測定距離電圧は、あらかじめ設定された検知範囲の距離電圧と比較されて、検知範囲の距離電圧より小さければ、消音信号を出力する。出力された消音信号は、ミュート回路に入力されて、ミュート回路は入力端子および出力端子間の音信号を遮断する。
図3はヘッドホンを用いる人がシステムを装着した例を示す。システムに設置した超音波センサを、人の視覚の及ばない範囲に向けることで、その範囲における人や物体の接近を、システムを通してヘッドホンを用いる人に知らせることができる。
携帯音楽プレイヤーやスマートホンから、ヘッドホンを使って音楽を聴く人
ヘッドホンを使って音楽を聴くことで気が付かない、周囲の危険を知ることができる
神奈川大学工学部経営工学科准教授
総務省戦略的情報通信研究開発推進事業SCOPE平成27年度独創的な人向け特別枠「異能(Inno)vation」プログラム最終選考通過者
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