INTERVIEW 06

GUGEN2020 大賞ノミネート作品「Penbe」開発者インタビュー

「Penbe」は勉強するという行為をゲーミフィケーションを通じてポジティブに変換するシャープペンシルアタッチメントです。現在、GREEN FUNDINGにてクラウドファウンディングを実施中です。開発者の田谷 圭司さんに作品についてのインタビューを実施しました。

田谷 圭司 氏

●Penbeを作成したきっかけ

この製品は、自分の子供を見ていて着想しました。寝る直前ではなく、帰ってすぐに宿題をすればいいのに、なかなか始めない。勉強って必要だよって言っても、ピンとこない様子でした。親の私にも問題があって、子供の様子をあまり知ることができない時期は、勉強してる様子を見るよりも、テストの点だけみて、叱ってしまっていました。「歩く」や「移動する」というアナログな行為をデータ化して、運動するモチベーションにつなげれるんだから、「勉強する」という行為もデータ化できれば、学ぶモチベーションにつなげれるはず! IoTの技術があれば、小型化もできるはず︕ということで、このデバイスの知財権を取得し、開発をスタートしました。開発初期の頃、私の子供が勉強を始めたら通知が来るというコンセプト検証を行いました。そうすると、勉強を始めたという通知が、とても嬉しく、帰宅後に会話も弾んだので、これは良い製品になると確信しました。

勉強したくなる魔法のペン「Penbe」

●ハードウェアの小型化にあたって苦労した点や工夫した点はありますか?

デザインを考えると、円柱形の半分の狭いスペースに基板とバッテリースイッチなどを収める必要がありました。この点はかなり苦労しました。シャーペンの大きさを考えると、バッテリーやBluetoothモジュールの部品だけでもそこそこの大きさです。
部品の選定からなるべく小さく、形状にあうものを選び、筐体内の部品の固定方法にも工夫をしました。

シャーペンとPenbeの大きさを比較した写真

●子供に向けたゲーミフィケーションの作成にあたって参考にした物があれば教えてください。

Civilizataion(シヴィライゼーション)という人類文明の歴史と発展をテーマにしたターン性のシミュレーションゲームがあります。1ターンごとに、文字をつくる、鋳造技術を開発するなどできることを増やしていき、文明を発展させていくゲームです。複雑なゲームですが、人類が学んできた歴史を体現しています。Penbeでは、このCivilizataionを参考にさせてもらい、勉強と紐付け、わかりやすくし、動物のキャラクターで表現できるように開発を進めています。

●実際に使用したお子様や保護者の方からどういった反響がありましたか?

親御さんからは、「なかなかやりたがらなかった漢字の練習も、やるようになりました。」「勉強を可視化できてよかった。」「ポイントがどれくらいたまったか、わくわくしている様子でした。」などの反響をいただきました。また、お子さんからも「楽しくべんきょうができた。」「友達にもすすめたい。」などの意見をもらいまいた。中には日記に書いてくれて、それが学級新聞に掲載され、その様子を教えていただくこともあり、とても嬉しかったです。ポジティブな反響は、開発をすすめる上で非常に励みにもなりました。

●GUGENに応募して作品への反響など何か変わったことはありましたか?

今回は、オンラインでの配信がメインでしたので、直接知り合えたのは、参加者の方々だけと少し残念でした。ただ、そのぶん多くの方に知っていただける機会になった面もありました。SNSでメッセージをいただいたり、フォローしていただいたりGUGENに応募することでつながりが増えました。

●作品の製品化を目指す方々に向けて一言お願いいたします。

「もの」や「サービス」を、具現化していくのは、とても楽しいです。GUGENの場などでの開発者同士のつながり、ユーザーテストや展示会などでのユーザーとのつながりなど、様々な人に出会い、意見をいただき、自分の思いをブラッシュアップしていくことは製品化に向けてとても大切だと実感しています。自分の思いで、世の中をより良く変えていくことができるのは、夢のある行為だなと思います。私も、製品化に向けて、道の途中ですが、ともに製品化を目指していければと考えていますので、よろしくおねがいします。
読んでいただいた方とも是非繋がりたいので、リアルでお会いする機会があれば気軽に声をかけていただく、インターネットで「Penbe」を検索いただく、クラウドファンディングサイトをのぞいたりなど、どうぞよろしくお願いします!