建設現場における人力輸送を代替する「ロープ自走式エレベーター」

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建設現場における人力輸送を代替する「ロープ自走式エレベーター」

by LIFT
ビジネス・仕事 生活・からだ

作品概要

この作品は、ロープ上を自走するエレベーターです。任意の地点にロープを張るだけでどこでも短区間の輸送を行うことができます。この輸送機により、人力で行われていた輸送作業を代替し、効率がよく安全な建設作業を実現できます。そしてさらに、建設業界が抱える最大の問題である、労働力不足の解決にも繋がると考えています。

建設現場では、大きく重い資材はクレーンで持ち上げる一方で、クレーンが入ることのできない場所や軽くてかさばる荷物に対しては荷揚げ屋と呼ばれる作業員の方が人力で運んでいます。しかし人力で輸送する場合、建物の中のような狭い場所や階段を通ることが多く、効率は良くありません。

資材運搬や揚重作業としては、建設現場ではクレーンや、ロングスパンエレベーターが主に使われています。しかし、クレーンは場所をとり、軽量でかさばる荷物を効率よく運ぶことはできません。ロングスパンエレベーターは人が乗ることを想定しているため、設置基準が厳しいという難点があります。これに対しLIFTは輸送機自体に動力が組み込まれているため、システム全体がコンパクトになっています。そして設置が簡単であるため、短区間の輸送も効率よく行うことができます。さらに従来の輸送機とは異なり、バッテリー式で動くため、どんな現場でも使用できます。

これまでロープ上を自走する輸送機を用いて物資輸送に取り組んだという事例は私たちの知る限りではありませんでした。この理由としては、限られた空間と動力で資材運搬に十分なトルクを得ることが難しいからであると考えられます。一方私たちチームLIFTは開発を重ねてこの機構を実現させました。得られたトルクで持ち上げられる範囲内での輸送に絞ることで、これまでにない輸送を実現させることができました。

私たちはこれまで、様々な建設企業にインタビューを行ってきました。インタビューを通して、実際に人手不足という課題が存在することを確かめ、この輸送機が課題を解決しうるものであるということを検証してきました。さらに地元の建設企業さまと連携し、実際の建設現場で実証試験を行いました。今後はさらに多くの場所での実証試験を行い、この「ロープ自走式エレベーター」をより社会に大きなインパクトを与えられるようなプロダクトにしていきます。

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Web Site

https://www.kikin.tohoku.ac.jp/project/tomopro/2022/pj_002_2022

ターゲットユーザー

建設作業員。特に荷揚げ屋など、人力で資材を運んでいる方々です。

ターゲットユーザーに与える価値

事故の減少、作業の高効率化、省コスト化により、持続可能な建設を行えます。例えば階段のような狭い場所で人力で運ぶ代わりにこの輸送機で外から直接搬入することで、より効率のよく、安全な輸送作業が実現できます。また建設業界は肉体労働や危険な作業が多いという印象を持たれています。しかし安全で効率の良い作業が実現できればこうしたイメージを払拭でき、建設業界の労働人口増加、業界の活性化に繋がると考えています。

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作品投稿者について

LIFT

この輸送コンセプトは、宇宙エレベーターという、宇宙空間に展開したロープと輸送機を用いて人間や物資を輸送するという未来の宇宙輸送アイディアに由来しています。本プロジェクトのメンバーは、その宇宙エレベーターの要素技術の一つであるクライマーと呼ばれる輸送機の技術を建設現場等の物資輸送に活用するために集まりました。挑戦心あふれる学生だからこそ、これまでにないアイディアを提案し、形にすることができるのです。

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